多摩川水害対策に「ポンプゲート」導入 その画期的仕組み

多摩川水害対策に「ポンプゲート」導入 その画期的仕組み

今も記憶に新しい令和元年の台風19号。大雨によってたまった水が多摩川にうまく排水されず、狛江市 中和泉と西和泉地区で床上床下浸水が358世帯、猪方・駒井町地区で304世帯も発生しその後のみなさんの生活に大きな影響を及ぼしました。2度とこのような悲劇を起こしてはいけない。排水を調節する「樋管操作」担当の狛江市職員が台風により避難せざる得なくなり適切な操作ができなかった反省から狛江市ではリモートコントロール設備を導入しました。

そして! 狛江市は調布市とともに画期的な新対策を発表しました。下の図をごらんください。

ポンプゲートのイメージ図

大雨が降り多摩川の水位が高くなると多摩川の支流、根川の水が多摩川に流れないばかりか多摩川の水が逆流して住宅地に入り込んでしまいます。その逆流を防ぐためしくみは「水は高いところから低いところに流れる」でした。図の一番左側にあるのが除塵機。まずはここで水路のごみを取り除きます。その上で強力なポンプを備え付けたゲートで水を②の方向、吐出水槽に送り出します。ポンプによって吐き出された水は水槽の中で多摩川の水位より高い位置まで上昇します。すると水は水位が高いところから低いところに移動する性質があることから雨水は堤防や六郷さくら通りの下に設置された「六郷排水樋管」を通って多摩川に排水されるという仕組みです。

吐出水槽は巨大な壁の構造物?という疑問がわいてきますが壁の高さは今の地盤高から3m程度とみこんでおり威圧感のある壁が作られるわけではないそうです。予算は20億円。令和10年度までの完成を目指すとのことです。 

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